午前二時的緊張感
眠れない夜ってありますよね。
身体的に眠れない夜もありますし、
精神的に眠れない夜もあります。
寝てしまうと世界に置いていかれるような気がして、なかなか眠る勇気が出ない夜。
明日起きたときに、このモヤモヤした気持ちを忘れてしまってるんだろうなぁと考えると、なんだか寂しくなります。
人間の心ってなんだか虚しいなぁって思えてきます。
でも、そんなときに外に出てみると、こんなに遅い時間なのに周りの部屋には電気が煌々と灯っていて、ああ、私はひとりじゃないんだって、思えてきます。単純なんです。
少し遠くまで足を伸ばせば、深夜のコンビニのアルバイトのお兄さんが働いていたり、道路工事のおじさんがいたり、世界は眠ることはないんだって、立場は違えど眠れない仲間を見つけて少しだけ嬉しくなったりします。
家に帰ると相変わらず寒くて静かな空間の中に、生きているのは私ひとりだけってことが悲しくなりますが、だからこそ私も寝てもいいかもな、なんて思えてきます。
たまに声を聞きたくなる人がいます。卒業してから2度しか聞いていない声。とても落ち着く波長、抑揚、速度。話す内容も、私の思考の型と速さにぴったり合ってて、何にも気を遣わなくていいし、気を遣われることもない関係。気の置けない間柄。唯一私を馬鹿にしてくる人。でも馬鹿にされても傷つかない唯一の人。あのとき大好きだった人。
今もどこかで生きていて、多分今は眠っている。
だから私ももう眠るの。おやすみなさい。