ルール

横断歩道の白いとこだけを踏みながら

ぴょん  ぴょん  ぴょん  ぴょん

黒を踏んだら爆発だ

周りのみんなも吹き飛ぶぞ

電信柱の長い影だけは飛び越えて

ぴょん  ぴょん  ぴょん  ぴょん

もし一度でも踏んだなら

足と地面がくっつくぞ

 

点字ブロックを手掛かりに目を閉じ歩く

坊や しっかり前を見て

君が踏み外したところで

世界は終わりはしないから

スーパーの床の茶色いタイルで綱渡り

お嬢ちゃん しっかり前を見て

綱から落ちても大丈夫

多分誰も気づかないよ

 

でも私は、そういう子が前から歩いてきたら、そっと道を譲ります。

私は、ただ道を歩くという行動をそんなに気合を入れて信念を持っておこなっていません。その一方でいろんなことに興味津々の子供達ときたら、道を歩くのにも、絵を描くのにも、箸で口に料理を運ぶのにも、夜寝るときに目を瞑るのにも、どんな些細なことにも、何かしらのルールをつくりだし、それに従おうとします。

この白い線の上だけを歩く。お父さんとお母さんの服は絶対に違う色で塗る。さっきは右の奥歯で噛んだから次は左。左目を少しだけ早く閉じちゃったから、もう一度開けて閉じ直し。

もちろん個人差はあるでしょうが、何かしら、1つは共感できるものがあるのではないでしょうか。

私は、そういう子が前から歩いてきたら、きちんとそのルールを理解してあげたい。私のルールの範囲内で、その子のルールを尊重したい。

もしその子のルールが理解できそうになかったら、仕方がないから「こういうルールもあるんだよ」って教えてあげる。

あなたのいちばん大切なルールは何ですか?