super sweet supper

今日、外にご飯を食べに行くと、外国人の夫婦らしき男女が楽しそうに話をしながら料理を待っていました。漢字のノートを開き何やら書いています。2人とも50代くらいでしょうか。外国人なので年齢が読めません。大きなリュックと何かよくわからない細長い道具を傍に置いています。目が合うと、にっこりして「どこでもどうぞ」と言ってくれました。だから、最初はお店の方だと思っていましたが、やはりどう見ても観光客です。

世間はクリスマス。その店内にもクリスマスソングがゆったりと流れていました。ご主人のほうはその曲に耳を傾けながら、時々笑っています。私には聞き取れない英語の歌詞が、そんなに面白いのでしょうか。

やがて、料理が運ばれてくると、2人はノートを閉じて食事を始めました。さっきから途切れることなく会話が続いています。もう何年も連れ添っているように見えましたが、それでもまだまだお互いに話したいことがあるなんて、素敵だなぁと思います。

料理を食べ終えた頃、店内のBGMはどこかで聞いたことのあるお馴染みのクリスマスソングがかかりました。すると、なんと例の2人はそれに合わせて歌い始めたのです。そんなに小さな声ではなかったので、小さな店内にいた全員に聞こえていたでしょう。旅の恥はかき捨てと思ったのか、その場の楽しげな雰囲気がそうさせたのかはわかりませんが、この上なく素敵な歌声でした。テノールのご主人とばっちり目があったので、私は胸の前で小さく両手の親指を立てて、にっこり笑って見せました。すると彼は恥ずかしそうに口角をキュッとあげて、白い歯を覗かせ、そして目をそらしました。

帰るタイミングがほぼ同時になりましたが、その夫婦が先にお会計を済ませて、店のドアを開け、私に向かって「おやすみ」と言葉を残し、去って行きました。

なんて素敵なクリスマス。

せわしい師走のある夜の一期一会のお話でした。

Have a sweet trip.